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2020-04-20 WEB制作
WEBサイトリニューアルに最適の時期!?
カンボジアオフィスからこんにちは! 今年に入ってからCOVID-19の影響で、業務がスローダウンしたり、自宅勤務を余儀なくされている企業が多いのではないでしょうか。 売上を伸ばしたくても、取引先に出向けない。 新規見込み顧客に営業に行けない。 消費者の財布のひもが固くなっている…。 など、現在の、そして今後の売り上げに不安を感じている企業、社長さんは少なくないはずです。 世界的なCOVID-19の大波に、社会が、経済が押し流されようとしています。 そんな中、先日あるメルマガで目にした言葉が非常に印象的でした。 「波は来ている。止められない。 だけど、波にのまれない、溺れないように、 波に乗って進みましょう!」 感染症の影響は避けられないと受け入れた上で、どう次の行動に進むのか、 収束後を見据えて、今どう動くか。 この時間の使い方で、復興のスピード、質が変わってくるはずです。 WEB制作会社としては、この機会に オンラインでの営業体制、受注窓口の拡大、 人々の生活スタイルの変化に順応した自社製品の提案方法… などの改善・整備をご提案したいと思います。 WEBサイトの修繕やリニューアルは、忙しい通常業務の中において後回しにされがちです。 まずは①現状の課題②サイトの最終目的③ターゲット、を見直し、検討するところから始めましょう。 Nulo Labではじっくりヒアリングをさせて頂き、 上記3点をふまえた上で、WEBを使ってどの様な解決が出来るかを、 お客様と一緒に考えていきます。 貴社のWEBサイト、10年、20年前からリニューアルしてない、なんてことはありませんか? また、多くの消費者がスマホで情報収集する時代において スマホ対応していないサイトは評価も問い合わせも低い傾向にあります。 逆に、サイトをリニューアルしただけで、問い合わせや売上が増えた例も少なくありません。 いままで見て見ぬふりをしてきた課題解決、 これを機に腰を据えて、nulo Labと一緒に取り組んでいきませんか?? 時代の変化の波に乗るビジネスに育てていきましょう。 お気軽にご相談、お問い合わせ下さい! info@nulo.co.jp
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2018-12-01 WEB制作
モバイルファースト
いつもありがとうございます、nulo(ニューロ)株式会社のハギ(Hagi)です。 近年のスマートフォンの世界的な普及に伴い、国内外問わず、パソコンからのアクセスより、モバイル(スマートフォン中心)からのアクセスが増えてきており、ウェブサイトのデザインも「モバイルファースト」という概念が浸透してきております。 B2Bの企業向けサイトに関しては、B2Cの商業サイトと比べ、パソコンからのアクセス比率が高いものの、年々その比率はモバイルからのアクセス比率が伸長し、パソコンからのアクセス比率が減少している数字が出ています。 日本市場においてのみならず、米国や中国(大陸)においても、その傾向は顕著に表れており、広告市場全体や音楽/映像配信、アプリやソフトウェア経由でのアクセス比率に関しても、モバイルへの傾斜が年々進んできているのが実情です。 以前であれば、まずパソコン向けのデザインを考え、レスポンシブ対応として、モバイル版のデザインやレイアウトを考えていたと思うのですが、ここ数年は、まずモバイル版のデザインやレイアウトを固め、パソコン向けを後付けで考える企業や事業者が増えてきています。 各デバイスからのウェブサイトへのアクセス比率の実数は統計で多くの企業が公表していますが、総務省が実施した「通信利用動向調査(2018年5月公表)」においても、スマートフォンがパソコンを抜き始めました。 *総務省「平成29年通信利用動向調査」(2018年5月25日発表) このようなインターネット利用動向の変化の中、オンラインサービスやECサイト運営の事業者のみならず、B2Bの企業向けサイトにおいても、一部「モバイルファースト」への転換が進んできております。 「モバイルファースト」を実践していく上において、パソコン向けに考えていた構成や進め方を変えないといけない点がいくつかあります。 (1)無用なデータ通信量をさらに抑える モバイルユーザーは外出先からのアクセスが多く、容量の限られた回線を使っている事も多いため、不必要に情報量の多い画像やイメージの使用を控える必要があります。冗長と思われる内容や素材の見直しも、サイトの利便性や快適性を実現する目的のもと、並行して進めていく必要があります。 (2)導線・アクションの簡素化 今後モバイルにシフトしてくる利用者は中高年層も増えてくることも並行して考えると、小さな画面サイズで如何にユーザー側からの入力項目などのアクションを簡素化するか、ということが揚げられます。選択式の項目を増やすなど、導線のみならず、ユーザー側の操作を容易にしてあげることも重要となります。 (3)見やすさ・直感的操作の強化 限られた画面サイズでパソコンと同量のコンテンツを見てもらいアクションを起こしてもらうには、閲覧した瞬間に直感的に理解できるデザインやレイアウト、画面構成を考える必要があります。パソコンと同じトーンやストラクチャで同じボリュームのコンテンツを表示しても、ユーザー側に伝わらない可能性があるので、ユーザビリティの慎重な確認のプロセスは必須となります。 上記の総務省が発表したレポートによると、50歳代においても、スマートフォンからの利用がパソコンからの利用を追い抜いている状況であり、今後、60歳代以降の世代にも、この流れが徐々に進んでいくと思われます。 これまでテレビ/ラジオや紙媒体中心に潜在顧客にアプローチしてきた健康食品や美容商材を販売していた通販事業を営む会社にとっても、今後モバイルを意識した対応を進めていく必要があるように思います。 これら50歳代以降の世代にとって、コンベンショナルな(これまで習慣化されていた)媒体との接触頻度や接触内容はそのままで、スマートフォンからのネット利用と組み合わせでアクセスしてくる利用者が増えている可能性が高いです。 例えば・・・ (A)テレビを見ながら通販の映像を見て商品名で検索、事業者の信頼性や 既存利用者の口コミなどをスマートフォンで検索して調べたり・・・ (B)商品で使用している原材料や容量など商品詳細情報を商品購入前に買う か買わないか判断するために公式サイトで調べたり・・・ (C)類似商品や同類商品の価格差や機能/効能の差を調べたり・・・ 既に普及している媒体と並行して、モバイルからの情報を使う場面がますます増えてくると思われます。 あるいは、ネット事業をこれまで強化してこなかった、リテール事業者にとっても、 (a)移動中に実店舗の情報(店舗所在地や取扱商品など)を検索 (b)外出先でプロモーション情報の入手 (c)実店舗の販売店と価格やプロモーション内容を比較して購入 など、これまでのパソコンからアクセスしていた目的とは異なる使い方が更に加速していくと思われます。 皆様の会社においても、潜在顧客や利用者層の具体的な利用シーンを再度見直し、丁寧に仮設・想定してみて、本格的なモバイルシフトの時代に備え、「モバイルファースト」のコンセプトを実現し始めてみてはいかがでしょうか?
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2018-10-01 WEB制作
コーポレートサイトの考え方
いつもありがとうございます、nulo(ニューロ)株式会社のハギ(Hagi)です。 ウェブサイトを制作する上において、オンラインサービスやECサイトのようにトラフィックを集め売上や利益を直接的に求めるサイトと異なり、KPI設定が難しいのがコーポレートサイトになります。 自社のサービスや商品、企業理念や概要、プレスリリース、上場企業などであればIR情報など、その会社が関与する利害関係者やステークホルダーに向けて情報提供されるのが、コーポレートサイトの主な役割となります。 販売をメインとするECサイトや情報を流通させるポータルサイトなどであれば、ゴール設定やKPI作りは比較的明確に設定できますが、コーポレートサイトの場合、「とりあえず準備しないと・・・」という曖昧な動機付けで制作しているケースも多いと思われます。 インターネットがこの世に存在しなかった時代には、会社紹介パンフレットがあったように、「人材確保の求人用のため」、「取引成約に向けた会社説明のため」、「販売先に商品の詳細や機能を伝えるため」、「金融機関などへの信用力を示すため」など、想定する情報の“受け手”のために内容を準備していたと思います。 同様に、コーポレートサイトには、その会社が繋がる“受け手“が必ず存在し、その”受け手“が求める情報や、その”受け手“に起こしてほしいアクションを誘発する内容をきっちり整理して、ウェブサイトの設計を行う必要があります。 コーポレートサイトを新規に立ち上げる、もしくは、リニューアルする場合、 (1)“受け手”となるターゲットは誰なのか? (2)それぞれのターゲットのニーズや“欲しいもの”は何なのか? (3)そのニーズや“欲しいもの”をウェブ上でどう表現すべきなのか? 自社のブランディングや方向性に応じて、検討していく必要があります。 整理していくと上図のような捉え方になります。 コーポレートサイトの“受け手”には、“顧客”から“(自社)社員”まで様々なニーズがあり、そのニーズ毎に準備して更新する情報や内容が異なるのが現実です。 例えば、”顧客”には商品紹介やサービス内容を多頻度で更新して情報提供する必要がありますが、”求職者/学生”に対しては、多頻度である必要性はなく、それら情報よりも募集要項や働く環境の紹介などの情報提供を行う必要があります。 これらの情報を整理して、実際に情報を更新する“頻度”や“内容の質”を適切に判断して導入していくことも肝要です。 ◆情報更新が一年以上全くされてない ◆モバイル対応を全くしていない ◆古いままのレイアウトで放置 ◆間違った情報がそのままにされている など、少し問題を抱えるサイトを、他社のサイトで見たことがある方も多いと思います。 よほどの大企業でない限り、コーポレートサイトの情報更新に選任スタッフを張り付けるのは難しい状況ですので、 「誰が(Who)?いつ(by When)?どういった内容の情報(What)を?」 更新していけるのか、自社リソースの状況も冷静に判断して決めていく必要があります。 コンテンツリッチで更新頻度の高い、沢山のページ構成を持つレイアウトのコーポレートサイトにリニューアルしたのだが、実際には情報の更新が追い付かず、結果的にクオリティの低いコーポレートサイトになっているケースも散見されるので、まずは身の丈にあったデザイン&レイアウトできちんと更新頻度を守れるような内容にしていくことをお勧めしたいです。 具体的にはきちんと工数配分をして、「毎月に?度(あるいは毎四半期など)~Aさんが?時間ほど時間を使い、X部分のYコンテンツを更新する」など、より具体化・ルール化して、更新頻度を維持していかないと、他業務に忙殺され、質の高いコーポレートサイトをメンテナンスするのは難しいです。 コンベンショナル(伝統的)なビジネスを展開している会社や、オンラインやネット事業とは縁の遠い会社などは、どうしても、全社的な観点から優先順位が低くなってしまうのが、コーポレートサイトであります。 ただ、実態としては、就職活動中の学生や取引を開始しようと思っている潜在パートナーや取引先など多くの利害関係者が自社のコーポレートサイトにアクセスしているのが事実です。 サイトをリニューアルする時期は、会社の状況や現在のサイトの状態により、各社様々です。「他社と比較し少し古くなってきたかな・・・」と競合他社と比べて判断するケースもありますし、中期経営計画やM&Aなど会社全体の大きなスケジュールや組織全体が変革する年度など、それぞれ適切なリニューアルのタイミングがあると思います。 (1)統一したブランディング 各タッチポイント(社風/会社ロゴ/パンフレット/名刺)などとの統一したブランディングイメージ (2)適切なレイアウト/設計 ターゲットに合わせて情報の整理・カテゴリー化を行い、モバイル向けからパソコン向けまで、デザイン・レイアウトを適切に設計 (3)無理のない運用体制 更新内容や頻度、具体的な担当者のアサインなどを行い、社内のルーチン業務として無理のない運用体制の整備 (4)定期的にレビュー可能な目標設定 単に売上やコンバージョン、トラフィックでなく、各ターゲットの目的に沿った独自のKPI作りを意識 上記をきちんと理解しながら、正しい流れで、自社のコーポレートサイトの“立ち位置”を再定義してみるといいと思います。 皆様の会社においても、”現在の状況”と”あるべき姿”を、一度照らし合わせてみてはいかがでしょうか?
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2018-06-01 WEB制作
“ブランディング”とは何か?
ありがとうございます、nulo(ニューロ)株式会社のハギ(Hagi)です。 先日、都内の大学の大学院(MBAコース)にて、特別講師として、マーケティングの講義を行いました。 生徒の皆様は、日本人だけでなく、東アジアや東南アジア、中東など各国から集まっている特徴あるユニークなクラスでした。 そこで、“ブランディング”について講義をさせていただきました。 自分も三菱商事やソニーなど比較的規模の大きい、複数ブランドを保有・運営する企業でサービス開発やマーケティングに携わっていたこともあり、基本的な考え方の部分から現場で使う実務的な部分まで、幅広く色んな事例を紹介させていただきました。 “ブランディング”というと、どういったイメージをお持ちでしょうか~? 「ブランド=」でいうと、ルイヴィトン(Louis Vuitton)、コカ・コーラ(Coca-Cola)、メルセデスベンツ(Melcedes-Benz) などを思い浮かべるかもしれません。列記した企業やブランドは何れも、数十年かけて蓄積されたブランド・アセット(ブランドが持つそのものの価値の蓄積や資産)があり、誰もがブランド・ロゴを見れば、“その商品イメージ”や“対象としている顧客層”が直ぐにイメージすることが出来る、と思います。 もちろん、これらのブランドは多額のマーケティングコストを投下して、ブランド価値やブランド認知度を高める作業をしている訳ですが、こういったグローバルブランドでない企業においても、近年、ブランディングが重要視されていると思います。 新潟に本社のある、アウトドアブランドの“snow peak”さんや、奈良に本社を構え、特徴ある伝統工芸品とSPAという複合業態を展開する“中川政七商店”さん、”Marks & Web”のブランドを関連会社に持ち、美容・トイレタリー商品を複数ブランド展開する松山油脂さんなど、広告宣伝費をあまり投下することなく、ブランドイメージを上手に一般市場に浸透させている成功モデルもあり、「ブランディング=お金がかかる」ということではないように思います。 “中川政七商店”さんは創業300年を超える老舗企業ですが、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、広告費を極力抑えながら、各産地からの取り扱う商品の「その産地らしさ」「そのブランドらしさ」が伝わるようなアプローチを行い、「伝統」と「(現代の)デザイン」が融合したオリジナリティ溢れる商品構成で展開しています。リアル店舗、ウェブ、展示会などお客様と接点のある各チャネルで、一貫し統一性を持ったスタイルで取り組まれているのも特徴的です。 “snow peak”さんも広告を殆ど打たないことで有名ですが、顧客と直接つながることに重点を置いた活動を行っています。 いわゆるマスに向けた広告などは一切行わないですし、SNSでも単に登録者を増やすだけの広告投下などは行わず、直営店や提携店の売り場での顧客体験、あるいは、顧客が商品やキャンプそのものを経験出来るイベントなどを開催して、潜在顧客に上手くアプローチして、PULLでブランド・ロイヤルティを高めていくやり方を趣向されています。イベントで商品に実査に触れてもらい、エンドユーザーと直接接点を持つ機会を増やして、その声を拾って商品開発に繋げていくなど、独自の顧客ロイヤルティを作り上げて、他と違う独自のブランディングを作り上げる活動も特徴的です。 自分が所属していたソニーも、ブランディングという意味では非常に経験豊富な企業体でした。創業者の盛田さんがマーケティングやブランディングに長け、海外進出を力強く推し進めたこともあり、対象は日本国内だけでなく、世界各国を常に意識していましたし、”SONY(エス・オー・ネヌ・ワイ)”というブランド4文字に対する、社員全員のプライドや自負は高く、ブランドに込める思いは、他企業では感じられない熱意や思いを感じることが出来ました。 しかも、ソニー傘下に、PlayStationやaiboなど、尖がった特徴を持つ商品ブランド群を抱えていることもあり、「SONY+α」の“会社”+“商品”のトータルでの付加価値を常に意識して、マーケティングしていたような気がします。 顧客との接点となる、①オンライン、②直営店舗、③各販売チャネル、など、販売に関わる全てのタッチポイントでの一貫性(Consistency)はもとより、POPやポスター、オンラインでのバナー、パンフレットや説明書まで、常に“ブランディング”を意識したマーケティング活動が行われていました。 確固たるブランドを確立していくためには、顧客が目にする部分、商品自体の外観や店舗のディスプレイや配布物、ウェブデザインだけでなく、対象としている顧客を見定め、商品開発の細部のデザイン・仕様・質感からその原料の選定、そこで働く社員のワークスタイルや職場環境に至るまで、ある一定の統一した価値観を醸成し、浸透させることが必須となります。 提供する商品やサービスなどを包み込む全てがブランドイメージのベースとなり、他社と異なる、他商品より高く買ってもらえる、広告を打たなくてもイメージが伝わり評価される、ことに繋がっていきます。 販売やマーケティングの現場にいると、日常業務に忙殺され、なかなか自社の“ブランディング”活動について、意識する機会も多くないかもしれません。皆様の会社でも「自分達の会社の商品やサービスは、“ブランディング”という意味で、他社や他商品・他サービスと比べて、どうなんだろう~?」と、少し振り返ったり、その活動指針につき再考してみてもいいかもしれません。
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2018-05-24 WEB制作
“キャズム”とは何か?
こんにちは! nulo(ニューロ)株式会社のハギ(Hagi)です。 1991年にマーケティングコンサルタントのGeoffrey A. Mooreが発売した著書『Crossing the chasm』で注目され始めた“キャズム(Chasm)”という言葉、会社内で新商品開発やマーケティングを担当されている方なら一度は耳にしたことがあると思います。 インターネットが世に広まる前から、通信の世界だけでなく、様々な技術分野において、新技術の普及や新製品のマス市場への拡大が大きな課題とされてきました。デジタル技術だけでなく、アナログ技術の分野においても、“キャズム”はいつも新技術を活用した新商品を発売する際に、直面する大きな課題だったと思います。 “キャズム”という英語の言葉(Chasm)を日本語で直訳した場合、「幅広く深く避けた割れ目」あるいは「深い溝」などと訳されます、つまり、新商品や新技術が、ターゲットとしている当該市場に普及していくための“壁”あるいは“谷間”という意味合いになります。 “キャズム”がマーケティングの議論の中で語られる際、イノベーター理論から派生して語られることが多く、いわゆるアーリーアダプター層から如何にマジョリティ層に如何に拡大していけるか、が、“キャズム”を乗り越える際のキーファクターとなっています。 普及に至らなかった、いわゆる、“キャズム(Chasm)”を超えられなかった例としては、1990年台後半からアーリーアダプター層に浸透していた”PDA”という商品カテゴリーがあります。NECのモバイルギアやシャープのザウルスなど、「懐かしい~!」と唸っていらっしゃる方々も多いと思います。私がいたソニーでも、CLIEという特定ユーザーにクリーンヒットしたPDA端末があったのですが、携帯電話がPDAの機能の数々をその進化と共に吸収することになって、市場から徐々に姿を消すことになってしまいました。その延長線上とも表現できるiPhoneがある意味、キャズムを渡ってくれたこともあり、PDA~ブラックベリー~iPhone/Android端末とユーザー層が広がりながら、乗り移っていったような気がします。 ここで表現する市場は、必ずしも、市場全体という意味ではなく、あくまで、その製品や技術が対象としているターゲット市場 ということも言えます。例えば、家庭用ゲーム機器は、市場全体への普及率という意味ではさほど多くないかもしれませんが、そもそも「ゲームが好き」というターゲット層や、「スマホゲームでは物足りない」というターゲット層を対象としており、一応、「キャズムを超えて」対象市場に普及した商品カテゴリーであるとも言えると思います。「ビデオゲーム自体が好きでない層」もいるでしょうし、消費対象が全く異なる層もいるので、要は「如何に速く、対象と想定するターゲット層にリーチし、マジョリティ層に支持され続けるようになるか」ということが重要でありますし、その中できちんと採算が取れ、新商品や新技術に投下し続けた投資全体がリクープ(Recoup)できるようになるか、を考えねばならないと思います。 加えて、“キャズム”(普及するために乗り越える谷間)を乗り越えるためには、周辺環境の整備というのが欠かせないようにも思えます。現在のスマホゲームの普及には、①快適な操作環境を支えるCPUやメモリなどの周辺技術の向上、②データのやり取りをスムーズにさせる高速ネット環境、③安価にスマホが購入できるための技術革新や量産化技術など、単製品の単一の技術革新だけでは乗り越えられない背景もあります。 そして、“キャズム”を乗り越えさせるために、利用者の負荷や利用する際のハードルを下げてあげたり、利便性を向上させることも重要な要素となりうるように思います。ソニーやパナソニックが電子書籍端末を発売して、PRやマーケティング活動を積極的に行っていた時期がありましたが、ダウンロードから読む動作に至るプロセスの簡便性、書籍ラインアップの充実、など、現在、アマゾンのKindleやアップルのiPadが乗り越えていく壁を、乗り越えられなかった理由や課題が幾つかあったように思います。 FacebookやLINEなどのSNSはスマートフォンの爆発的な普及とネットワーク環境の整備と共に、一気にキャズムを超えていきましたし、また、「ルンバ」など自動で掃除するロボットや、遠隔操作で容易に飛行できるドローンなどはこれから技術が成熟し、市場環境が整う中で、“キャズム”を超えていくような商品カテゴリーだと思いますし、Apple Watchなどを中心としたスマートウォッチの商品カテゴリーに関しては、“キャズム”を乗り越えられるかどうか、微妙な状況に思えます。 そういう意味では、周辺環境の普及状況なども見極めて、適切なタイミングで、プロモーション・普及活動やマーケティング、技術に対する人的・金銭的な投下に対して、アクセルをどのスピードで踏んでいくのか、というのも、キャズムを乗り越えるための成功要因になると思います。 イノベーションを産み続ける会社だけが、利益を出し続けたり、長期的に成功を収める訳では決してないので、全ての会社に当てはまる理論ではないですが、新市場を作ろうと意気込む会社にとっては、一つ参考となる理論だと思います。 皆様の会社でも“キャズム”という理論を意識しながら、過去事例や周辺環境を丹念にレビューしながら、商品や技術と冷静に向き合ってみてもいいかもしれません。
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2018-03-28 WEB制作
SEO対策とは何か?
昔と違い、今のSEOは「誰にでもできる」ものになっています。昔は専門家への依頼や、非常に専門的な知識の学習は必須だと思う方が多いと思います・・・
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2018-03-28 WEB制作
SEO対策とは何か?/Part2
クリスマスも終わり、2016年も残すところ数日に。 Graphika inc.(以下、グラフィカ)にとって、当ブログの更新を怠っていたことへの自省も・・・
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