日本企業と共同開発した中銀デジタル通貨「バコン」、正式運用開始

カンボジアオフィスからこんにちは!

カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行は、10月28日、日本企業(ソラミツ社)の技術を採用したデジタル通貨の運用を開始しました。
ブロックチェーンを基盤とする中央銀行デジタル通貨システムは「バコン」と呼ばれ、2019年7月から試験的に運用が開始されており、この度正式スタートとなりました。

ソラミツのWEBサイトはこちら:https://soramitsu.co.jp/ja

バコンアプリの使い方

カンボジア国内の電話番号でバコンのスマートフォンアプリにログインし、簡単に利用することが出来ます。デジタルリエル・米ドルのウォレット口座をアプリ内に保有し、電話番号やQRコードを使って個人間や企業間の送金、店舗での支払い等に利用可能です。

すでに約20の金融機関がプロジェクトに参加しており、安全・簡単・迅速・かつ無料の決済・送金を実現し、リテール取引と銀行間決済を支えるシステムとして期待されています。
だた、現状店頭での支払いが可能なお店はあまりみかけません。

カンボジア国内の金融包摂の強化が課題

バコンプロジェクトは2016年に発足。
プロジェクトの目的は自国通貨であるリエルの使用の促進と、金融サービスへのアクセス機会が少ないカンボジア人への金融包摂を強化することとされています。
カンボジアでは15歳以上の国民の78%が銀行口座を持っておらず、農村部では銀行等の支店も少ない。その一方で、スマホの利用率は非常に高く、アプリを通じて金融アクセスに効果があると期待されています。

カンボジア国立銀行の中央銀行局長Chea Serey氏は「バコン制度が正式に開始されたことで、社会福祉が促進され、現金を使わずに円滑に電子決済が行われるようになり、病気の蔓延を防ぐことができると期待している」とコメント。
新型コロナウイルスの感染対策にも紐づけてシステムの普及を図っています。



(カンボジア国立銀行のFacebookページより)

しがらみのないカンボジアでの先進的な一歩

日本では、旧態依然の全銀ネットなどのしがらみが強く、国内送金、キャッシュレスの手数料が高い等の問題を抱えています。
日銀は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究を進めようとしていますが、柔軟性の高い新興国に比べ、大きく出遅れているのが実態です。
カンボジアは、金融関係のしがらみが少ない状況を活用して、一気に本格的CBDCの世界に移行しようとしており、今後も急速な発展が見込まれています。デジタルリエルは現金にとって代わるものではないとされ、利子もありません。全てのデジタルウォレットは銀行口座の裏打ちがあり、リスクも最小限に抑えられているようです。

現在カンボジアでは、銀行のモバイルアプリでの決済や、PiPay、Wingなどのモバイル決済が、その手軽さや操作のしやすさから若者を中心に大きく普及してきています。
今後はバコンの店頭での利用がシステム普及のカギとなりそうです。
筆者も早速アプリをダウンロードして、試してみようと思います。

【ご参照】National Bank of Cambodia Facebook ページ
BakongのPR動画もたくさん掲載されています。
https://www.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/?_rdc=1&_rdr

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