“ブランディング”とは何か?

ありがとうございます、nulo(ニューロ)株式会社のハギ(Hagi)です。

先日、都内の大学の大学院(MBAコース)にて、特別講師として、マーケティングの講義を行いました。
生徒の皆様は、日本人だけでなく、東アジアや東南アジア、中東など各国から集まっている特徴あるユニークなクラスでした。

そこで、“ブランディング”について講義をさせていただきました。
自分も三菱商事やソニーなど比較的規模の大きい、複数ブランドを保有・運営する企業でサービス開発やマーケティングに携わっていたこともあり、基本的な考え方の部分から現場で使う実務的な部分まで、幅広く色んな事例を紹介させていただきました。

“ブランディング”というと、どういったイメージをお持ちでしょうか~?



「ブランド=」でいうと、ルイヴィトン(Louis Vuitton)、コカ・コーラ(Coca-Cola)、メルセデスベンツ(Melcedes-Benz)
などを思い浮かべるかもしれません。列記した企業やブランドは何れも、数十年かけて蓄積されたブランド・アセット(ブランドが持つそのものの価値の蓄積や資産)があり、誰もがブランド・ロゴを見れば、“その商品イメージ”や“対象としている顧客層”が直ぐにイメージすることが出来る、と思います。
もちろん、これらのブランドは多額のマーケティングコストを投下して、ブランド価値やブランド認知度を高める作業をしている訳ですが、こういったグローバルブランドでない企業においても、近年、ブランディングが重要視されていると思います。

新潟に本社のある、アウトドアブランドの“snow peak”さんや、奈良に本社を構え、特徴ある伝統工芸品とSPAという複合業態を展開する“中川政七商店”さん、”Marks & Web”のブランドを関連会社に持ち、美容・トイレタリー商品を複数ブランド展開する松山油脂さんなど、広告宣伝費をあまり投下することなく、ブランドイメージを上手に一般市場に浸透させている成功モデルもあり、「ブランディング=お金がかかる」ということではないように思います。

“中川政七商店”さんは創業300年を超える老舗企業ですが、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、広告費を極力抑えながら、各産地からの取り扱う商品の「その産地らしさ」「そのブランドらしさ」が伝わるようなアプローチを行い、「伝統」と「(現代の)デザイン」が融合したオリジナリティ溢れる商品構成で展開しています。リアル店舗、ウェブ、展示会などお客様と接点のある各チャネルで、一貫し統一性を持ったスタイルで取り組まれているのも特徴的です。

“snow peak”さんも広告を殆ど打たないことで有名ですが、顧客と直接つながることに重点を置いた活動を行っています。
いわゆるマスに向けた広告などは一切行わないですし、SNSでも単に登録者を増やすだけの広告投下などは行わず、直営店や提携店の売り場での顧客体験、あるいは、顧客が商品やキャンプそのものを経験出来るイベントなどを開催して、潜在顧客に上手くアプローチして、PULLでブランド・ロイヤルティを高めていくやり方を趣向されています。イベントで商品に実査に触れてもらい、エンドユーザーと直接接点を持つ機会を増やして、その声を拾って商品開発に繋げていくなど、独自の顧客ロイヤルティを作り上げて、他と違う独自のブランディングを作り上げる活動も特徴的です。



自分が所属していたソニーも、ブランディングという意味では非常に経験豊富な企業体でした。創業者の盛田さんがマーケティングやブランディングに長け、海外進出を力強く推し進めたこともあり、対象は日本国内だけでなく、世界各国を常に意識していましたし、”SONY(エス・オー・ネヌ・ワイ)”というブランド4文字に対する、社員全員のプライドや自負は高く、ブランドに込める思いは、他企業では感じられない熱意や思いを感じることが出来ました。
しかも、ソニー傘下に、PlayStationやaiboなど、尖がった特徴を持つ商品ブランド群を抱えていることもあり、「SONY+α」の“会社”+“商品”のトータルでの付加価値を常に意識して、マーケティングしていたような気がします。
顧客との接点となる、①オンライン、②直営店舗、③各販売チャネル、など、販売に関わる全てのタッチポイントでの一貫性(Consistency)はもとより、POPやポスター、オンラインでのバナー、パンフレットや説明書まで、常に“ブランディング”を意識したマーケティング活動が行われていました。

確固たるブランドを確立していくためには、顧客が目にする部分、商品自体の外観や店舗のディスプレイや配布物、ウェブデザインだけでなく、対象としている顧客を見定め、商品開発の細部のデザイン・仕様・質感からその原料の選定、そこで働く社員のワークスタイルや職場環境に至るまで、ある一定の統一した価値観を醸成し、浸透させることが必須となります。
提供する商品やサービスなどを包み込む全てがブランドイメージのベースとなり、他社と異なる、他商品より高く買ってもらえる、広告を打たなくてもイメージが伝わり評価される、ことに繋がっていきます。

販売やマーケティングの現場にいると、日常業務に忙殺され、なかなか自社の“ブランディング”活動について、意識する機会も多くないかもしれません。皆様の会社でも「自分達の会社の商品やサービスは、“ブランディング”という意味で、他社や他商品・他サービスと比べて、どうなんだろう~?」と、少し振り返ったり、その活動指針につき再考してみてもいいかもしれません。

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